甘くて苦い青春作品集 井村瑛「イノセントノイズ」

甘くて苦い青春作品集 井村瑛「イノセントノイズ」
「聞き返されて言えない程度の気持ちなら 大丈夫 すぐ忘れられるよ」
羊と氷菓は前後編で三角関係の話。
一方は高校からの友達の羊子、もう一方は幼馴染の千晶。
真ん中にいる幌乃はどちらも“仲のいい友達”としか見てないんだけど、2人は幌乃のことをそれ以上の関係として見てて~っていう。
幼馴染って最強百合属性だと思うんですけど、千晶が無理やり幌乃にキスした時点でもう勝ち目ないよね…自分の気持ちが先行し過ぎて相手の気持ち蔑ろにした行為なんて届くわけないでしょ!!
そこで言ってた「“恋人”か“絶交”か」ってのも極端だけど分からなくはないんですよ。告白したらもう友達じゃいられなくなるわけだから。友達以上の関係になりたいからこそ、絶交という言葉を使ったんだと思う。
その一方で羊子は不意にだけど幌乃に告白して、「友達のままがいい」って返事されても容認して今までの関係続けてるし、やっぱ相手の事大事にした方が勝ったというか…?
やーでもこれはこれで羊子キツイと思うんですよ。結果的にふられてるようなもんだし、自分から幌乃の傍に行こうとしなくなっちゃったし。
うーんでも“出来れば”恋人同士になりたいだけっつってるし、ほんとにただ傍にいられれば、というより幌乃が幸せならそれでいいのか。ポロっと告白しちゃったのも結果的にはいい方向に流れたね…よかったよかった。
そりゃさ、自分の事を想ってくれてて傷ついた時傍にいてくれてあんな笑顔見せられたら惚れますよ!
羊子と千晶のわだかまりも無くなってよかった。牽制かけまくってたのに最後には二人の為に背中押してくれたし。千晶も幸せになってくれ。
ちゅーかさっき気付いたけどカラーページのあれってそういうことやん。もう勝敗描かれてたのか…。

他、互いに影響されつつもすれ違ってしまう「音楽なんてどうせもいい」や、同性してる彼女を隠し撮りしまくる超美人な「美しくなる日」などなど。
文章力が無さ過ぎてこんな書き方になってしまいましたが、「音楽なんてどうでもいい」はかなり好き。
「水深」でもそうだったけど、現在→過去→未来な構成してる作品好きなんかなぁ…もう一度くっつくとこもね、悲鳴あげそうになりながら読んだよ…あれはズルイ。
好きだからこそ相手の為を想い~ってのが良いんスわ…これ一番最初に持ってきた編集GJ部。

掲載当初先生が色々言ってた「天使がいた日」ですけど、1,2ページめくって読み続けるか迷ってしまった。
内容知ってるからこの娘がこうなってああなってってのが頭の中グルグルしてね…ちょっと辛い…。あんな可愛い絵柄でこんな…くそぅ~~~って。
でも個人的にはバッドエンドじゃないと思うんですよ。最後お守りしてる美波見つけてるし。ただ過程が…前も書いたけど何も知らず一人で舞い上がってる美波がきっつい………。
カバー裏でその後描かれてるんで、色々思うところあった人は読んでみましょう。
井村先生の作品集はこれで3冊目ですが、百合力がどんどん上がってますね。
毎度毎度シチュエーションを変えてるんで飽きないんですよ。それ+この作者にしか描けない!ってのがあるのはほんと強い。
社会人百合が割と多いのも強い。これは好みの問題だけど。
これからも良質な百合作品を描いてほしいですねぇ。
あと、ほんとどうでもいいけど増税の影響で税込1,000円でした。
懐には優しくないけど小銭入れには優しい。
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